『割烹TAJIMA』(代官山) &十津川村の生ナメコ【お店探訪】

割烹TAJIMA

「割烹」と聞くと、どんなイメージを抱くでしょう。
「今日の会食は、代官山の割烹で…」

そう言われたら、どんなお店をイメージしますか?

かなり敷居が高く、行くのにちょっと襟を正してしまう。
眼光鋭い、頑固オヤジ風の(!?)
ベテラン料理人が厨房に立っている……。

そんなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
少なくとも若い人にとって、「割烹」とはあまり身近なものではありません。

割烹TAJIMA

ふだんは、日本各地の小さな村を訪ね、地域文化の担い手や生産者をご紹介している当サイトですが、ではそうして作られたモノは、どこで、どう楽しまれているのか?

現地でこそ育まれる文化がある一方で、別の町で、他者の手が加わることによって、新たに生まれる発見や楽しみもあります。

そんなモノやコトもご紹介したいとの想いから、今回は 【村の食材】☓【プロ料理人】コラボ企画を公開します。

記念すべき第1回目の登場は、代官山の
『割烹 TAJIMA』 オーナー兼 料理長、田島和彦さん(31)。

金髪、ヒゲ、若くして代官山の割烹オーナー&料理長。全てが従来のイメージと異なります。でも、それだけで驚いてはいけません。

ここ『割烹 TAJIMA』をオープンする前は、在サンフランシスコ 日本総領事館 公邸料理人として日本文化 発信の一助を担っていました。

「市場でいつも、十津川村の生ナメコを買ってくれている料理人さんがいるよ。」
そう聞いて、お会いしたのが田島さんです。

割烹TAJIMA

かくいう私も、代官山の割烹、元公邸料理人と聞くと、いささか身構えてしまいました。ところが…

「農家さんは、僕らをもっとうまく利用して欲しいですね。料理人だからこそ出来ることは、あると思うんです。」

十津川村のこと、生産者のこと、にっぽんマルシェが行っている事業をお伝えするなり、田島さんからは思いがけない言葉が返ってきました。

「例えば、地元では二束三文で売られているキノコでも、東京なら1パック 900円ぐらいだったりすることはザラにあります。

以前、四国の小さな村の “葉っぱビジネス”(※1)がずいぶん話題になりましたが、売れると分かればガンバれることって、もっと他にもあると思います。」

田島さんはクールに、でも熱く語ります。

※1 徳島県上勝町で山の落ち葉を拾い、料亭用の「つまもの」として販売するビジネス。年収1000万円超えのおばあちゃんが現れ話題になった。

割烹TAJIMA

偶然の出会い(セレンディピティ)が歓びを生む、市場の醍醐味

田島さんと「十津川産 生ナメコ」の出会いは、何だったのでしょう?

「偶然です(笑)。毎朝、市場に買い出しに行きますが、ずいぶんボリューム感のあるナメコが、たまたま目に留まり。

料亭では松茸のような高級キノコはどこも扱いますが、ナメコは一般家庭で馴染みのある食材だから、あえて調理することはありません。

でも、天ぷらにしてみたらとても好評で、それ以来ずっと使っています。」

市場は「ヒト、モノ、カネの交差点」とも呼ばれますが、こうした偶然の出会いが
シェフのインスピレーションを生み、人を喜ばせる料理に変わる……。

この日、田島さんが披露してくれた「十津川村の生ナメコ」を生かした料理はこちらの3品。

1品目) 生ナメコと白子の茶わん蒸し ウニ添え

2品目) 加賀野菜の大根 マスの竜田揚げ
     湯葉と生ナメコのあんかけ

3品目) サンマのエリンギ巻きと生ナメコの天ぷら

いずれも海の幸と山の幸が、一緒に使われているのが印象的です。

田島さんにそのことを訊ねると、

「いつもそうする訳ではないですが、そうなることは多いですね」とのこと。

お皿の中でも、偶然の出会いが起きています。

「お客様もナメコを家庭で使うときは、味噌汁にいれる位という方が多いですが、庶民的なイメージの強いナメコも、これほどの料理になるんだ… というギャップも楽しんで下さっているようです。」

そう語る島田さんは、楽しそう。

カウンター越しに交わされるお客様との交感も、料理のインスピレーションにつながっているのでしょう。

全てをご覧いただき、本当に心がこもっていると伝わるか。そこが大事。

「うちでは料理を全て、ここ(カウンター越し)で作ってお出しします。
のれんの向こうから持ってくるのではなく、全てライブ。

ガスや水回りは汚れやすいので、少し迷いもしましたが、あえて全て見せることを選びました。

私がこういう格好なので、割烹らしくないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
海外では料理人がタトゥーやピアスをしていても誰もなにも言いません。

料理人自身もお客様といっしょに
料理をライブ、エンターテインメントとして楽しんでいます。

全てをご覧いただき、本当に心がこもっているのか?
そこがしっかり伝わることこそ、大事だと思っています。」

割烹TAJIMA

アシスタントの早川貴晶さん(右)と。早川さんもまだ25才という若さだ。

田島さんの口調は、終始、淡々としている。
それでいて、語る内容は極めて熱い。

これも在米領事館という特殊な環境で
日本の文化と自らの料理に向き合ってきたからだろうか。

そんな詮索をついしてしまうものの
『割烹 TAJIMA』で食事をするのに難しい理屈は要りません。

「お店の雰囲気は、割烹としてはむしろ軽いと思います。僕も楽しくやらせてもらってます。」

以前は別の料亭で働いていたという
アシスタントの早川さんは言う。

そうして気兼ねなく、一流の世界に触れられる稀有なお店として、世代を問わず、訪ねて来て欲しいと田島さんは言います。

リピート率が極めて高いというのも納得です。

「割烹 TAJIMA」
ーーーーーーーー
【営業】 要予約
12:00~14:00(ご来店は13:00まで)
18:00~23:00(ご来店は20:00まで)
【TEL】 03-6874-9129
【定休日】日曜日

【住所】東京都渋谷区代官山町13−4 ヴォーグ代官山2 1F
【店舗URL】 https://kappo-tajima.com
【席数】カウンター10席、個室1室(2〜6名様)
【アクセス】東急東横線「代官山駅」より徒歩3分

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