レモン鯛

【岩城島 #3】レモンの島では鯛さえもレモン好き!?『レモン鯛の蒸し焼』に目が点

▼ 誰も信じてくれない!? 人を感動させる “勝負メシ” がわずか10分
▼ 日本一の鯛(たい)養殖のルーツがココに!岩城島の浦安さん一家
▼「レモンの島のレモン鯛」誕生

「青いレモンの島・岩城島」シリーズ第3弾は、瀬戸内海の急流にもまれた鯛のご紹介。3回目にしてようやく、海の幸登場です。

周りがすべて海ですから、岩城島が海の幸に恵まれているのは言わずもがなですが、それをここまで紹介せずにいられる(他にも伝えるものがある)ところに、「青いレモンの島」の豊かさが表れています。

岩城島レモン
岩城島せとか

岩城島の代名詞・レモン

柑橘の王様・せとか

レモンポーク(豚肉)

しかも、今回ご紹介するのはただの鯛でない。レモンの島なればこその「レモン鯛」!

レモンポーク同様、レモンを食べて育っているからレモン鯛? と思いきや、さにあらず。(レモンポークについては「岩城島 #2 浜辺をかけるレモン豚」をご参照) 料理の際にたっぷりレモンを使うから「レモン鯛」? でもありません。

豪快なこの料理「アクアパッツァ」に使われる「レモン鯛」が、レモン鯛たるゆえんは…

食べはじめると、すぐ分かります。

レモン鯛

お腹からレモンが、次々出てくる!!

これほどキレイな形のレモンは、鯛が自ら食べたもののはずありません。人の手で詰めたとしか考えられない。でも、この「アクアパッツァ」をつくった時に詰めた覚えはない… いつの間に??

【わずか10分!手抜きなのに超豪華「レモン鯛のアクアパッツァ」作り方】
1)フライパンに市販のアサリ(砂抜き済)1パック、ミニトマト数個、白ワインと水(目安 ワイン 100cc、水 200cc)を「レモン鯛」と一緒に入れ、火にかける
2)アサリが開いたら完成

以上!

つまり、鯛には一切手をかけていない!(お好みで塩・コショウをかけてもOK) そんなバカなと思うでしょうが、これだけで美味しく食べられる理由がちゃんとあります ↓

日本一の鯛 養殖のルーツは「青いレモンの島」にあった!

レモンの島で鯛を育てる一家がいる。そう聞いた我々は、岩城島の海沿いに車を走らせました。見えてきたのが、なにやら海に突き出た不思議な施設。

作業小屋らしきものがあります。壁1つなく、とても風通しが良さそう。

岩城島・浦安水産

この道を行けということのようです。
他に道は、ありません。

岩城島・浦安水産

吹きつける強風を全身に受け、よろめきながらも、平静を装って進みます。

端に到着すると
なにやら、作業している男性が。

この方こそ、岩城島で鯛の養殖業を営む、浦安水産3代目・浦安元太さん(36)。(さすが軽やかな身のこなしですが、この日は本当に風が強くて、髪は乱れ、目を閉じた写真になってしまいました。ゴメンナサイ)

ミカンで知られる愛媛県は、実は水産業も全国屈指。

養殖魚全体の生産量は、40年連続日本一!
(たい)養殖に限っても、平成2年から30年連続 生産量日本一!

全国約7万トンのうち、半分以上(約38,000トン)が愛媛県産なのです(県農林水産統計)

その日本一の愛媛県産 養殖真鯛のルーツをたどっていくと… 「県内で最初に自然産卵の養殖真鯛に成功したのは、うちのお祖父さんです」(元太さん)

なんと、日本一の始まりはココ、「青いレモンの島・岩城島」の浦安水産にありました!!

浦安水産の蒸し焼き鯛

【浦安水産 真鯛のここがスゴイ!】
● 全国一の愛媛県産 養殖真鯛の先がけ(県内初、自然産卵に成功)
● 抗生物質を一切使わない 完全無投薬 真鯛を実現
 (稚魚から水揚げまでの約2年半〜3年)
● 加工・製造にも保存料等、添加物は一切未使用
 (加工場と水揚げ場が隣接し、最高鮮度を保持します)

「完全無投薬」という点に注目です。一般に養殖魚は、天然ものに劣ると思われますが、その主要因は、(1)狭いイケスの中で多くの魚を育てると運動量が落ち、質も下がる (2)水が滞留すると、病気発生の原因となる(=抗生物質の使用)

それなのに、浦安水産ではなぜ、完全無投薬が実現できるのか?

・ 岩城島海域は潮の流れが急で、イケスの水が滞留しない(投薬不要)
・ 家族3人の小規模経営だから、量を追わず、質を追求。
  魚はイケスを泳ぎまわり、締まりのいい上質な鯛になる!

つまり「天の利」と「人の力」により、島の漁師が「あそこの鯛は、天然ものに負けない!」と太鼓判をおす真鯛になるのです。

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レモンの島の「レモン鯛」誕生

では、なぜ浦安水産の鯛のお腹からは、レモンが出てくるのか!? その理由もまた、創業者・浦安春夫さんにありました。

岩城島レモン鯛

高品質な養殖真鯛の道を拓いてきた春夫さんですが、長びく魚価低迷、資材費の高騰を受け、いち早く加工品開発に着手します。ときに2000年。まだ6次産業化という言葉がほとんどなかった頃です。

「ハレの日」のおめでたい料理の筆頭格である鯛も、自分でさばくのは大変。とくに都会の人にとっては、縁遠いものになっていました。そこでもっと気軽に楽しんでもらおうと「鯛の蒸し焼き」を考案します。

下処理不要なだけでなく、塩で味付けし、解凍後すぐ食べられるようにしました。シンプルにそのまま頂くもよし、アクアパッツァなどにアレンジするもよしです。

レモン鯛焼き

この「鯛の蒸し焼き」のお腹に島特産のレモンをつめたのが、『レモン鯛の蒸し焼き』です。下処理の際に浦安さんがレモンをつめているから、“食べてビックリ!” になるというわけ。

実をいうとこの「レモン鯛」、考案当初は家族からも「はたしてこれは、どうなの?」と疑問の声が上がったそうです。今でこそまるで高級レストランの一品のようで喜ばれますが、なにぶん小さな島でのこと。見慣れぬ料理の登場に周囲はいささか戸惑いました。

それでも「まずは、やってみよう!」の精神で果敢にチャレンジ。ジワジワとお客さんの心を捉えていきます。

浦安水産・鯛みそ3品

その後「鯛みそ」「鯛メシの素」など、新商品を次々と開発。味はもちろん、デザイン性も兼ね備え、地元の人のみならず、都会の若い人からも「簡単でおいしい」と支持を集めて現在に至ります。

「ちょっとこれは行き過ぎ?」と家族さえ怯んだ春夫さんのアイデアに、ようやく時代が追いついてきたようです。

ちなみに春夫さんは80才を越える今も現役で、孫の元太さんとともに洋上でご活躍です。
 

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〜 岩城島 逍遥 〜
岩城島に来てから浦安さんに出会うまで、“淋しさ” を感じることはなかった。

人口約2,000人の小さな島でも、人は生きいきしているし(レモンの疲労回復効果?)、農家には仲間がいる。レモンポークの松浦さんは、島唯一の畜産家だが、周りは賑やかな豚に囲まれている。でも… 県内初の養殖事業に挑んだ浦安さんは、どうだったろう?

岩城島の海

海の上でただ1人、助けてくれる人もおらず、孤独だったのではないか? たった30分イケスの上にいただけで、寒さにふるえ、帰りたくなった私には真似できそうにない。

幸い春夫さんの意思は今、孫の元太さんが受け継いでいる。「(鯛を軸としつつ)もっと島の人たちと商品開発に挑みたい」。そう語る元太さん世代が、この先の島を支えていく。

応援したくなる人がいるのは、いいものだ…
そんなことをしんみり感じさせる、すてきな家族と出会いました。

岩城島の塩レモン

元太さんとレモン農家の共同商品 第1弾
万能調味料 『塩レモン』

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