間もなく夏を迎えようとするこの季節、各地で夏野菜の収穫が進んでいます。市場やスーパー店頭でも新物の梅やらっきょうが並べられ、自家製梅干や梅酒、漬物づくりを楽しむ人たちが品定めする姿を見かけるようになりました。
そこで本日は、南信州・阿智村に受け継がれる郷土の漬物5品をまとめてご紹介します。
「日本一 星空がキレイな村」に認定され(平成18年 環境省)、過疎の町から一転、観光客が押しよせるようになった南信州・阿智村については、こちら「あちの里」特集をご覧ください ↓
【阿智村の漬物シリーズ 1】『みょうが甘酢漬』は可憐なピンクと甘酸っぱさで、食べる人の心をつかむ!
まず1品目は『みょうが甘酢漬』。みょうがといえば、一般には薬味のイメージが強いですが、酢漬にするとその可憐な色みが際立ち、食卓に華を添えてくれます。ほどよい甘酸っぱさが、暑い日にも食欲をかき立て、暑い季節にピッタリです。
「あちの里」メンバーの1人、金子さんが「みょうがは阿智の特産品。ピンク色がキレイでしょ!」と胸をはる1品です。(1袋|120g、440円)
【阿智村の漬物シリーズ 2】信州・清内路の伝統野菜を生かした『赤根大根の甘酢漬』。その正体は大根ではなく、あの野菜…!?
ハッとするほど真っ赤な色味とサッパリした味つけが人気の『赤根大根の甘酢漬』。阿智村の清内路地区に伝わる伝統野菜・赤根大根をオリジナル漬け原料(砂糖・醸造酢・食塩)で仕上げます。ハッとするほど鮮やかな真紅の色合いは、もちろん天然のもの。着色料や保存料を使わずにこれほどの色が出るのは、赤根大根だからこそです。
ただし、赤根「大根」といっても、その正体は実は赤カブ! 見かけがカブではなく、大根にしか見えぬため「赤根大根」として受け継がれてきました。こちらは工房スタッフ・山田さんが、「サッパリした味つけが好き!」というお気に入りの漬物です。(1袋|170g、490円)
【阿智村の漬物シリーズ 3】カレーのつけ合わせだけではモッタイない!『らっきょう甘酢漬』は「畑の薬」と呼ばれるヘルシーフード
近年の健康意識の高まりを受け、人気・注目度ともにうなぎ登りの「らっきょう」。夏目前の5〜7月に新物の収穫シーズンを迎えます。らっきょうと聞いて多くの人がイメージするのがカレーでしょう。しかし、ただつけ合わせにしておくのは、あまりにモッタイない! なにしろらっきょうは「畑の薬」と呼ばれるほど、栄養価バツグンの野菜。もともとは中国から薬用(漢方で「薤白/がいはく」と呼ぶ)として伝来したのがルーツとされるほどです。
そのらっきょうを通年楽しむべく、長期保存可能にしたのが『らっきょう甘酢漬』です。せっかくの健康食ですから、余計な保存料や添加物を使わず、他の料理とも合わせやすいマイルドな味に仕上げています。ご家庭の常備菜にご活用いただきたい1品です。(1袋|150g、440円)
【阿智村の漬物シリーズ 4】伝統野菜・縞瓜(しまうり)をおいしく楽しむために生み出した知恵の結晶『しまうりの粕漬』
瓜(うり)と聞いてもあまり馴染みがない人も多いでしょう。一般スーパーではすっかり見かけなくなりました。しかし、西瓜(スイカ)や南瓜(かぼちゃ)、舐瓜(メロン)を知らぬ人はいません。古くは古事記・万葉集に記述があるほど歴史のある「瓜」(うり)は、今も姿を変えて我々の暮らしを彩っています。
『しまうりの粕漬』はそうした品種交配を経ずに、長く阿智村に自生する伝統野菜・縞瓜(しまうり)をおいしく味わうための料理。まず種をとり、塩漬けにします。水抜きが済んだら、漬け原料(酒粕・砂糖・食塩・焼酎)と一緒に寝かせます。酒粕(糀菌)の力を借りて、旨味と栄養価を高めた発酵食品が『しまうりの粕漬』です。ご飯のお供や酒肴にピッタリのしみじみ旨い漬物です。(1袋|180g、650円)
【阿智村の漬物シリーズ 5】希少な無添加・無着色の『小梅漬』は、弁当・お茶漬にピッタリ
日本の食卓に欠かせない梅干。身近な食材でありながら、最近は着色料等を用いて簡易につくるものが市販品の大部分を占め、安心して毎日食べ続けられる梅干を見つけ難くなっています。
この『小梅漬』は文字どおり小さな「小粒サイズ」ですが、余計な保存料・着色料を使わずオリジナル漬け原料のみで丁寧に仕上げています。お弁当やお茶漬けなどに重宝します。(1袋|180g、420円)
ひと昔前は「漬物」というと、質素倹約をイメージさせる慎ましい料理の代表格でしたが、今やすっかりあか抜けて、見かけの華やかさだけでなく、医食同源を実践する生活の知恵として見直されました。
時とともに料理も嗜好も変わりますが、これほど地域性が表れる食材も珍しいです。懐かしいのに新鮮……。そんな漬物ならではの世界をお楽しみください!