ピンクレディーといっても、ミーとケイではありません。UFOとサウスポーでもありません。リンゴの話。全国で44人しか生産者がいない(2020年現在)、まだ知られぬ「恋人たちのリンゴ」。それが「ピンクレディー」。
長野県松川町にある「くまちゃん農園」熊谷拓也さんが「ピンクレディー」に出会ったのは、ワーキングホリデーでオーストラリアへ農業体験に行ったとき。小さく、硬めで、ほんのりピンク色がかったリンゴを見つけた。食べるととても酸味が強い。しばらく置くと、糖度が増して、甘みと酸味両方を楽しめる。「おもしろい!」
そう思った熊谷さんは、さっそく日本に帰って苗木を入手、「ピンクレディー」を育てはじめた。
熊谷さんの「ピンクレディージャム」お買物はコチラ
化学肥料・除草剤・ポストハーベスト一切なし! 手塩にかけた「ピンクレディー」
「やっぱり “ふじ” はおいしいですよ。シナノスイートも勿論おいしい。売れてるものには理由があるんです。でも、みんな同じじゃ面白くないですよね」
北アルプスの山々を見渡す、標高700mの地にある広大な果樹園で熊谷さんは話してくれた。
「今は全部で25品種ほど育てていますが、個人的にはもっと特長あるものを広げたいんです。でも、自分の想いだけでは、経営は成り立ちませんから(笑)」
熱いパッションと冷静な算盤を合わせもつ熊谷さんにとって、「ピンクレディー」はかわいい愛娘のようなもの。個性的で、いとしくて、大きく育つまでじっとより添う。だから 化学肥料・除草剤・ポストハーベスト一切なし! 文字どおり手塩にかけて育てている。
生果を最大限リスペクトしてくれるジャム屋さんとの出会い
「ピンクレディー」生産者・熊谷拓也さん(左)とジャム工房の山木店長(右)
農産物の国際認証基準GAPをクリアーするほど、品質管理を徹底する熊谷さんだが、有機農業をつづける上で、虫やキズ果と無縁ではいられない。収穫した実のほとんどを専門会社へ卸しているが、キズ果の値段は落ちてしまう。検品でハネた品の多くは、廃棄するしかなかった。そんなとき出会ったのが、阿智村ジャム工房の山木店長だ。
「山木さんがいてくれて、ボクらは本当に助かっています」。通常、加工用原料を買い求める業者は、少しでも原価を下げようと、値段を買い叩く。品質は二の次、三の次であることさえ珍しくない。「でも山木さんは、生果をリスペクトしてくれているのが分かる」。だからこそ、良い品質で応えたい。
信頼しあう農家とジャム屋が、協力してつくったのが、この「ピンクレディージャム」と「ピンクレディー・チーズクリーム」だ。
「ピンクレディー・ジャム」は、ピンク色の愛らしさが際立つ。シャキシャキ食感が楽しめるようにと、果肉を崩さずに仕上げている。
海外では「恋人たちのリンゴ」と呼ばれるピンクレディーだけに、ちょっと大人向けにピノ・ノワール(赤ワイン)を使っているのもポイント。芳醇な香りが鼻先をかすめます。(アルコールは炊いて飛ばしているので、お子さんでも心配無用です)
「ピンクレディー・チーズクリーム」は、さらに上質感を増した逸品。食パンよりも、軽くトーストしたカンパーニュやライ麦パンなどの方が良さそう。クラッカーなどにも付けたくなります。リンゴとチーズの相性の良さに、きっと驚くことでしょう。
有機農業を追求する熊谷さんと「超低糖度 完熟 無添加ジャム」を探求するジャム工房の山木さん。2人の出会いはピンクレディーに留まらず、もう1つ画期的な新商品につながります。それが「ついに実現、糖類0ゼロのジャム!」。次回ご紹介します。