毎年 3.11 には、そのときどきに出来ることを私たちなりに考え、続けてきましたが、「今年はいいかな…」との気持ちになっていました。
震災から10年たち、テレビをつければ毎日のように追悼番組が流れています。流れては消え、流れては消え、情報が消費されていく。そんな印象を受け、テレビを見なくなりました。
これだけたくさん報道され、多くの人が「あれから10年」を語っていますから、あえて私たちが何か加えなくても… 今年は静観しよう、と思い始めました。
そう思っていた最中、たまたま目にした番組から聞き覚えのある声が流れました。「はい、いらっしゃいませ〜!!」 宮城県南三陸町「さんさん商店街」にある「山内鮮魚店」山内正文社長の声です。
声を張りあげ、社長自ら店頭で、客の呼びこみをしています。震災で自身も自宅・工場を流されたにも関わらず、周囲を鼓舞しつづけたリーダーです。昨年11月、南三陸でお会いしたときも元気な声を響かせていました。
ここ1週間ほど、テレビで南三陸町を見ない日はないほど、報道でとり上げられています。「三陸で最も元気な町」の1つとして、復興の象徴でもあるのです。その町も今、コロナ禍でたいへん厳しい状況にあります。
「5年後はここも、どうなるか分かんねぇな。ジイさんばっかりだから」。早朝に訪ねた市場では、そんな声も聞きました。県下有数の規模を誇る南三陸市場でさえ、水揚げ量・買参事業者ともに減り続けています。
「もっと安く原料(魚)を仕入れる方法はあるよ。でも、ウチまで市場から去ったら、この町はどうなるの? ウチは大した規模じゃなくても、ここにいて、荷扱量や価格を支えることに、相応の意味があるんです」。 案内してくれた山内常務から聞いた言葉です。
軽々しく「被災地応援」「東北から元気を!」とは言えませんが、幸いにも当店は、こうして三陸をはじめとする各地の事業者・生産者さんとご縁をいただいています。やはり、ささやかでも自分たちに出来ることを続けよう。そう思い直しました。
「いらっしゃいませ〜! いらっしゃいませ〜!!」 そう声を張り上げる山内社長の姿を見ると、何もせぬわけにはいきません。
本日から【3日間限定・送料無料】(送料弊社負担)で山内鮮魚店の下記商品をお届けします。微力ですが、南三陸自慢の「酒肴セット」と「オリーブオイル漬セット」をどうぞご笑味ください。
どれもまちがいなく美味で、長期保存できます。たくさん食べて頂きたいので、【2箱セット】でお申し込みいただけると嬉しいです。(オリーブオイル漬は、冷凍しても品質に問題ありませんので、同梱してお届けします)
そしてぜひ、コロナ禍がおさまり、旅行の時間ができた折は、三陸へ足を運んでください。ニュースで見るよりも、現地で人と会い、話した方がやはり何倍も楽しいものです。
2021年3月11日
にっぽんマルシェ通信