『にっぽんマルシェ通信』では普段、地方の小さな町や村の生産者や、地域コミュニティ活性化のための実践者たちからお話を伺い、記事(コンテンツ)を作っておりますが、その一方で、そうした方々が作る食材・商品を実需に換える(平たくいえば、売る)お手伝いもさせて頂いております。
その過程で、たくさんの地域の方々のみならず、業界や立場などバックグランドが異なる人たちとの接点が生まれます。特に「食」に関することが多いので、流通業界や飲食業の方々とのお付き合いが多いのですが、意外と皆さん、お互いに知っているようで(お互いを)知らない…… と感じます。
ふだんから仲良く話しているようでも、相手への遠慮か忖度か(!?)、いずれにせよ深い話しには入らずお茶を濁していることも多い模様。その結果、売り買いだけの関係に終始したり、情報と流通が発展するにつれ、“つくる人”と“食べる人”の距離はむしろ離れていったりする。
そんな思いもあって、先日、立場の異なる方々にお集まり頂いて、ざっくばらんな意見交換会(座談会)を行いました。その内容の一部をご紹介します。よろしければお目通し下さい(下記画像をクリック)
【対談者】
● 「日本で最も美しい村」連合 常務理事 長谷川昭憲
● 「つきぢ田村」3代目店主 田村隆
● 「東京魚市場卸協同組合」理事、(株)大政本店 代表取締役 小槻義夫
● 「にっぽんマルシェ連携機構」事務局長 渡辺貴 (敬称略)
勿論この会1つで、問題が急に解決することはありませんが、実際に会って言語化することで、あらためて見えてくることがあると再確認しました。こうした機会は今後も設けていきたいと思います。
ちなみに総務省発表のデータによると、2002年のインターネット上の情報量を10とすると、2020年は6450倍の6万以上。
地方の町や村が、外の人にその存在を知ってもらうために「情報発信が大切」とはよく言われますが、実際にはもう情報はあまりにも氾濫して、受取手(脳)の方もパンク寸前。ネットやSNSの情報も “スルーが基本” だったりする。必要なのは、情報発信そのものよりも、その中身をいかに適切な相手に届けるか。そのフォーマットやプロセス(媒体・経緯)に変わりつつある。
情報(メッセージ)をどこに、どう置くかまでを編集(プロデュース)できてこそ、価値ある情報発信になる。
ちょうど週末に、(株)コルクの佐渡島庸平さんの話を聞く機会があったので、そんな「文脈」の大切さをあらためて考えています。この件、またいずれ。
地域の魅力を伝える上でも、その届け方、相手との関係の築き方こそ大切だよね… と感じる今日このごろ。