サッカー ワールドカップにおける日本代表チームの奮闘ぶりが多くの称賛を集め、私も大いに心打たれた1人ですが、当サイトで触れることではないだろう… と思っていました(スポーツメディアではないので)。
ただ、ベルギー戦後のある方のコメントがとても印象に残ったので、備忘録をかねて書き留めておきます。
日本が敗れた一戦は、その内容だけでなく、試合後のロッカールームまでが世界に讃嘆をもって伝えられました。
サッカーワールドカップロシア大会で敗れた日本代表の試合直後のロッカールームとされる写真がツイッターに投稿され、清掃が行き届いた様子とロシア語で「ありがとう」と書かれたメッセージを残した心遣いが話題になっています。 https://t.co/NcPdRJCytd
— NHKスポーツ (@nhk_sports) July 3, 2018
帰国した長谷部主将がこの件を問われ、「スタッフの方が毎試合、全てきれいに片付けてくださっている。スタッフの方々を、選手として本当に誇りに思う」と明かしています。
死力を尽くした選手、観客席を掃除して帰るサポーター、ロッカールームを美しく片付けて「ありがとう」とともに去るスタッフ。いずれも素晴らしいと思います。
そんな中、目に留まったのがこちらのツイート。
このニュースを見て吉田茂元首相のエピソードを思い出した。元首相が都内のある有名ホテルのトイレに入ったが、中々出てこないので従業員が見に行くと、元首相がハンカチで洗面台を拭いていたそうだ。「総理、そんなことは私どもが」と慌てる従業員に対して、吉田元首相はこう諭したという。
— 山田宏 自民党参議院議員 (@yamazogaikuzo) July 3, 2018
「君、お客が汚した洗面台の水滴を、一々従業員が綺麗に拭いて回るホテルを一流とは言わない。一流のホテルとは、自分の汚した洗面台は自分のハンカチで拭くのを当然とする客が、常連客としているホテルを言う」と。一流の会社、一流の地域、一流の国。一流とは何かを考えさせられる話。
— 山田宏 自民党参議院議員 (@yamazogaikuzo) July 3, 2018
「一流のホテルとは、自分の汚した洗面台は自分のハンカチで拭くのを当然とする客が、常連客としているホテルを言う」
吉田茂、流石の一言です。
お店や施設、さらには地方の村にしてみれば、1人でも多くの人に来て欲しい。「千客万来」「お客様は神様です」と言いたくもなる。けれども、お客様に媚びへつらうのが「おもてなし」ではないし、客側も自分のエゴを押し通すようでは「招かれざる客」になってしまう。
「良いお店」の常連さんは、お店が混んでいればすすんで席を立つが、「そうでないお店」の常連が、店内で我がもの顔をしているようだと、経営は危うい。
一流は一流を解する。類は友を呼ぶ。
さればこそ、まずは我が身を正すことから……。
以上、自戒を込めて。
今回の日本代表チーム&サポーターは、自分たちが1番辛い敗戦直後にも関わらず、周りへの配慮を忘れなかった。だからこそ、その美徳が一層あらわになる。美しいものを見るのは、清々しいですね。
蛇足)「最も美しい村」を名のるのは、こう考えるといかに高いハードルを自らに課すことか、あらためて考えさせられます。最高に高い基準、審美眼を求められるわけですから。