開田高原アイスクリーム工房

【木曽町 #3】朝、搾りたての牛乳でつくる、開田高原アイスクリームは個性派ぞろい!ALL JAPANコンテスト W受賞のチーズも必見!

開田高原に行ったら、必ず食べるべきアイスクリーム

 
これからアイスクリームを食べるというのに、この日はかなり寒かった… 東京から長野県木曽町の中心部を経て、開田高原へ向かう。目的地に近づくにつれ、気温がグングン下がっていく。

車を降りる頃には、もう明らかに寒いと感じていた。
それでも、「開田高原アイスクリーム工房」の前には、行列ができている。

正直にいうと、内心では 「今日はもう、アイスは(食べなくても)いいかな…」 そんな気持ちになっていた。ところが店内に入ると、そんな気持ちがガラリと変わる。

開田高原アイスクリーム工房

とうもろこし、はちみつ、えごま、
かぼちゃ、そば、チーズ、ヨーグルト……

 
彩りゆたかで、個性的なアイスクリームがズラリ並んでいる。

これは絶対、食べないと損!
すっかり気持ちは入れ替わり、寒さのことなど忘れている。いや、むしろアツい。

しかし、ここで衝動にかられ、好きなアイスに飛びついてはいけない。あちこち旅するなかで、少しは学習をしてきた。人気店には、ワケがある。

まずは、他のお客さんの様子を観察する。
逸る気持ちをおさえ、しばしの我慢だ。

この日は、平日の日中ということもあり、比較的年齢層が高め。女性同士のグループとシニアのカップルが多い。

そのうちの半分ちかくが、「とうもろこしのソフトクリーム」を注文している。なるほど… 自分の注文するアイスがこうして決まる。

なんとも意志薄弱と思われるかもしれないが、この方が後日
「え、そんなのあったの? 知らなかった!」と後悔することがない。

気になるアイスは、買って帰ればよい。(この日は、ハチミツ、えごま、チーズ、ヨーグルトをお土産にした)

開田高原アイスクリーム工房

そうしてありついた「とうもろこしのソフトクリーム」は、甘さ控えめ、しっかりとうもろこしの味が効いている。なるほどのおいしさ。

そもそもここ開田高原は、非常に高糖度なとうもろこしの産地として知られ、夏場の収穫期には、採れたてとうもろこしを買い求めるファンが遠方からやってくる。その開田高原とうもろこしを惜しみなく使っているから、砂糖の力に頼らずとも、自然のやさしい甘さがでる。

「開田高原アイスクリーム」「開田高原とうもろこし」
2つの人気商品をかけ合わせることで、「ここに来たら食べなきゃいけない」メニューになっているわけだ。

観光地の人気店は、この「かけ合わせ」の原理をうまく利用しているところが多い。1+1=2ではなく、3にも4にもなる。そのためにも、よそから借りもののメニューを持ってくるのではなく、足元にねむる資源(宝の原石)を大切にし、磨いている。

そんな地味な積み重ねをたゆまずやってきたところは、しっかりファンを獲得している。ここ開田高原アイスクリーム工房もそんな努力の末に今がある。

資源は磨いてこそ光る。特産品ではなかった、木曽町の乳製品。

開田高原アイスクリーム工房

開田高原に来てから、疑問に思ったことがある。

アイスクリームが観光客に人気だとは、事前に調べて知っていたものの、車を走らせる間、あまり牛や牧場を見かけないのだ。むしろ、日本在来馬(和種)である「木曽馬(きそうま)」の里であることの方が目立っている。

てっきり、広大な牧場が広がっているのかと思いきや… 牧場とアイスクリーム工房は、離れたところにあるのか? 

そんなことを思いながら、「開田高原アイスクリーム ファクトリー」を運営する(株)エイチ・アイ・エフの斉藤信博 社長にお会いした。

「うちのアイスクリームに使う牛乳はすべて、当社役員でもある牧場主の牛から採れたものです。毎朝、搾りたての生乳を運びいれ、アイス工房内で殺菌して使っています。」

「1日、約70トンですから、量自体はそれほど多くありませんが、もともとのコンセプトが旧 開田村(※1)の原料を使っていこうというものですから、基本は身近にあるものを生かします。」

「今は、木曽郡内のものを優先し、アイスのフレーバーは常に10種類ほど。ただし、無理に広げようとせず、原料不作のときは品切れのときもあります。」

※1 木曽町は平成17年に開田村・日義村・三岳村・木曽福島町の4町村が合併して誕生。旧 開田村だけは合併前から単独で「日本で最も美しい村」連合に加盟していた。

話を聞くうちに、少しずつ開田高原アイスクリームの人気の秘密が見えてくる。
 

「足もとを掘れ!そこに泉が湧く。」

 

そういったのは、秋田で地域密着型の演劇集団「わらび座」代表をつとめる小島克昭 氏だが、ここ開田高原においても同様に、借り物のアイデアをとって付けた “まちおこし” ではなく、地に足ついた まちづくりを実践してきた。

もともと圧倒的に酪農がつよかったわけではない(現状認識)

それでも、自分の足もとにある資源をみつめ(発掘)

コレと決めた(比較的優位な)強みを生かし、磨きあげ(技術向上)

よそから頭1つ抜けでるまでトライアル&エラーをつづける(継続)

「地域ブランド」として認知される(浸透・拡大)

 
ときに地方の人と話していると、「いいわよねぇ〜、あそこは」とか、「うちにはなにもないから」という言葉がポロッと出ることがある。

決して悪気や妬みがあるわけではないが、つい隣の芝生は青く見えたりするもの。開田高原もその点、スキー場があるとはいえ、決して恵まれていたわけではない。けれども、無いものねだりをするのでなく、あるものを見つめ、磨くことで、たった1軒の酪農家の牛乳からこれほどの人気を集めるアイス ブランドを築くに至った。

今や「開田高原にいったら、必ず食べるべきアイス」として挙げられるほどだ。そんな歴史が、人気の裏にある。

ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト で優秀賞 獲得!

チーズ&ヨーグルトでも逸品を生む

「今日はもう、アイスは(食べなくて)いいかな…」と思っていた私が、お店に入ったとたん「食べたい!」モードに変わったのは、アイスのバリエーションがあってのことだ。

アイスクリームは特段、香りがあるわけでも、熱気(ユゲ)が工房内にたちこめるわけでも当然ながらないが、ここのアイス工房店内に入ると、体温がすこし上がる(気がする!?)。とうもろこし、そば、えごま、はちみつ、等々… カラフルで個性的なメニュー(フレーバー)が並んでいるからだ。良い意味で迷う(選ぶ)たのしみが、気持ちを高めてくれる。

アイスクリームの存在に隠れて、ちょっと脇においやられている感があるのだが、ここのチーズとヨーグルトも絶対見逃してはいけない逸品だ。なにしろ斉藤社長自身が、チーズ職人でもある。

斉藤さんたちがつくるアイスクリーム工房のチーズ(ややこしい?)は、 「2009 ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト」において、カマンベールチーズが優秀賞を獲得。

クリームチーズは同「中央酪農会議会長賞」受賞。
見事ダブル受賞の栄誉を勝ち取っている!

「足もとを掘れ…」の言葉にならっていうなら、牛たちの牛乳を生かす術を探り、技を磨くうちに泉がわき、オアシスになったようなものだ。

アイスクリームのみならず、新たに手がけたチーズでもしっかり結果を生むことで、アイスクリーム工房の評判はいよいよ高まった。さらにはヨーグルトにおいても、『SNKY』(スンキー)というまさに「ここにしかない品」を生むことになるのだが、それについては次回、あらためてお伝えしたい。

いずれにせよ、開田高原にアイスクリーム工房あり! その人気の裏には、歴史もワケもあるということだ。なかでも個人的なオススメが、カマンベールチーズ。開けるとすぐ食べきってしまうので、業務用の大サイズを一般にも売って欲しいと願うほど。ぜひ、お試しを。(下の写真が、業務用の大サイズ)

開田高原アイスクリーム工房

「開田高原アイスクリーム工房」
  ーーーーーーー
【住所】長野県木曽郡木曽町開田高原末川4411−9
【TEL】 0264-42-1133
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】1月から3月末まで火曜日定休

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